透明度65%

誰もいなくなるまで ここにいるよ

星に願いを 地図の上は北だよ

この間のつづき“GoogleMap”の件。

 

結構昔からGoogleMapに印を付ける作業にハマっている。行きたい場所に星印を付ける。それは、食べてみたいご飯のお店であったり、ちょっと有名な観光スポットであったり、テレビで見かけた素敵な場所であったり。

行った場所にも印を付ける。素敵だったな。誰かに教えられるかな。楽しかったな、また来られるかな。いつ使うかも分からないまま、蓄積だけを繰り返す。困った時に再び訪ねられるように。あの時の星印をめがけて。

 

日々そのことばかりを考えて生活しているわけでもなく、頻繁に飽きがくる。正確には‘飽き’と言うより、その行為をただ忘れているだけなのだが。でもたまに、自分が地図に星を付けていた人間だったことを思い出す。

そう言えばあそこに行ったな。あの人がいたな。その次にこの店にも行ったな。いや、ここは“行った”にカウントしては駄目かもな。地図に載ってない店じゃん。でも楽しかったな。また行けるかな。みたいな。ちょっと昔を思い出しながらの溜め印も、また一興である。

 

そんなちまちまと気味の悪い趣味の話をすると、俺も私もソレやってるなんて人が程良く見受けられる。とりわけ珍しい行為でもなさそうだ。特に誰かへ発表するために記録したデータではない。誰かを案内等々しようとアプリを開いた際、不意に星だらけの地図が開き、気まずい空気になることもある。シークレットモードみたいなやつを搭載してほしい。

けれどいつか、気色の悪い星印だらけの地図を所有している人々と、ボロボロに擦られた自慢の地図交換をしてみたい。私のように、ただ‘行った’や‘行きたい’のみで印を付けている人がほとんどだろう。しかし他の方法で印を管理している、そうでない人もいるはずだ。どのような印の住み分けをしているのか非常に気になる。きっと人の数だけ、星の数ほど使い方はあるんだろうなぁ。

 

GoogleMapの世界は地球よりも広い。そして地図上に星の数が多ければ多い人ほど強い。きっとそれは揺るぎない、そんな世界だ。

 

 

 

850