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誰もいなくなるまで ここにいるよ

わんわんにゃんにゃん永澤

下議会の箱 2nd

↑絶賛募集中、お題箱より頂いたテーマで綴る回。

8回目。ありがとうございます!

 

お名前 : 匿名様

 

犬と猫どっちがすきですか。
というか動物って好きですか?

 

んーーー迷う。ありがちな質問だけど、これまでしっかりと考えたことなかった。鋭い質問。どちらも飼ったことないし、触れ合うのも好きだけど、なんとなく 優勢。ツンとされるより、原っぱでキャッキャしたい。動物については全般的に好きだけど、檻や画面越しの安全圏から見るぐらいがちょうどいい派です。動物にいじめられたトラウマも特にないので、苦手意識もありません。本当に一番好きなのは、動物のこと大好きって言ってる人が、実際にちゃんと動物を可愛がってる瞬間に立ち会うことです。そんな人って人間には厳しいタイプも多いですが、すごくすごく愛に溢れています。素敵。

 

 

 

以下、あとがき。

 

先にも記載したように、今まで大々的に動物を飼った経験がない。頑張って記憶をたどっても、幼い頃にグッピー片手匹ぐらい。それも気づいたらみんな、いなくなっていた。以降全く、動物(ペット)とは縁ゆかりなく過ごしてきた。だからテレビでふわふわパンダの映像や、SNS上でじゃれつくネコの動画を見ると非常に羨ましく思うし、そんな生活に憧れる。

じゃあ一度飼ってみるってのは、いかがすか?もちろんチャレンジしたことがある。数年前のこと、買い物帰りにふらっと立ち寄ったペットショップで小さいネコに出会った。もはや種族も覚えていないが、優しい店員さんは笑顔でそのネコをカゴから出してくれた。膝の上にチョコンと座る、とても可愛いグレーのネコだった。そこからはあまり覚えていない。全てのコトを忘れた私は、気付けばもう、この可愛いネコを連れて帰る決心をしていた。国や文化や、家族や恋人、友人、時間やお金や仕事、何も関係ない。このネコと生活を共にすれば、どれほど暮らしが潤うだろうか。彩られるだろうか。コネコ購入。その一点張りだった。3歳児のモノの買い方だ。

しばらく経っても、全くその気持ちを見失う気配がない。一緒にいた知り合はしびれを切らし、ペットショップ隣のルノアールへと私を連れ出した。人気のない落ち着いたその空間は、取調室のようにヒンヤリしていた。取調室になんて入ったこともないが、いつもより苦く冷たいコーヒーを飲みながら、そこで私は2時間ほど説得された。本当に 今 ネコが必要なのか、と。

どうやって世話をするのか。争点は、それのみである。たしかに、仕事中や突然帰りが遅くなった時、みんなどうしているのだろう。遠くへ出かけたい時、どうしているのだろう。おそらく今となっては、ペットに対する色々なサービスが普及しているのだろう。心配無用かもしれない。しかし当時の私は、まだ命を預かる覚悟ができてない と思いネコを諦めた。一過性の気持ちで飼われるネコがなんと可哀想なことか。冷静さを取り戻した永澤は、誰よりも大人だ。後悔はない。そう決めると足早に、しかし少しだけペットショップに後ろ髪を引かれながらも、帰りの駅へ向かった。足の短い、小さく可愛いグレーのネコだった。

 

あの時の判断は正解だったと思う。今もなお、自分にはネコを飼える自信も資格もない。これほど自分勝手な生き方をしているのに、ネコ側が満足出来るようなお世話をできるはずがない。同時に、ネコ(ペット)を飼っている人をとても尊敬する。一人暮らしなら尚更すごい。大変なこともあるだろうけど、きっと癒しに溢れた楽しい生活なんだろうなぁ。写真見たいなぁ。動画見たいなぁ。私ももう少し大人になったら、また、ペットショップに行ってみたいと思う。

 

 

 

 

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