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誰もいなくなるまで ここにいるよ

セブンイレブンのからあげ棒が具体的にいくらなのか僕はまだ知らない

駅から自宅までの帰り道、セブンイレブンでからあげ棒を買って帰りたくなる。部活帰りの男子中学生さながらの気持ちで帰る日がたまにある。

そんなある日、あのからあげ4個と付属の棒が、正確にいくらなのか知らないことに気づいた。おおよそ100円ぐらいだろう。多分間違ってはいない。でも明日もし、一本300円になっていても気づかないかもしれない。

 

ものの値段をあまり気にしなくなったのはいつからだろう。キャッシュレス化も進んだ今、特にコンビニのような場所ではひとつひとつの商品の具体的な値段を気にしなくなってきた気がする。別に、特段お金持ちになったわけでも、富豪一族と血縁関係になったわけでもないのに。

それなのに、ゲーム一本、飲み会一回、タクシーワンメーター、迷ったら払えばいいかと考えるようになっている。これが大人になるということなのか。自分でお金を稼げるようになった大人達には、もうとっくに当然の世界だろう。過ぎた段階を思い出す間も無く、みんな気づいたらそこそこの大人になってしまうのだ。気づかずにここまで来られたのは、とても幸せなのかもしれないね。

 

中学生の気持ちでからあげ棒食べてたら、まあまあのおっさん(お兄さん)が駅からトボトボと疲れた背中で歩いている話。

 

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