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誰もいなくなるまで ここにいるよ

ぼくらはみなバンクシー

いつもと少し違う道を歩いて通勤すると、おそろしく汚れた街路がある。(イメージは最下図参照)

 

もしかするとご近所さんがいるかもしれないので写真の掲載は避けるが、その街路は数々の落書きで溢れている。灰色の壁に描かれたその文字や絵が、我々に何を伝えたいかは分からない。それでも、デザインされたオシャレなフォントやカラフルな色使いは、薄暗いビル群のあらゆる壁を彩り、一種の感動を覚える。特に朝方、死んだ顔/心で出勤している際は、敢えてその道を選ぶことで生命エネルギーを享受している日さえある。

当然違法行為で、褒められるものではない。

しかし自由なようで、実は何らかの規則に縛られ描かれた落書きは、JISでA3.A4の寸法が定められているように、一定のサイズを守って境界内にすっぽり収まっているようにも見える。そこにはきっと、洗練されたアーティスト達にしか分からない規律が存在するのだろう。

 

彼らはその作品の完成まで、どれだけの労力と時間を要するのか。構想期間や下絵もやはり必要なのか。そもそも落書き担当部署みたいなものがあるのか。すごくすごくすごく気になる。いつか一度立ち会ってみたいなぁ。

 

一番気になるのは、高さ10-15mぐらいの位置にも落書きがあること。どうやって描いたんだろう。落書きのために足場を組んだのかな。ハシゴ車みたいなのを使ったのかな。実は落書き風な外壁デザインなのかな。すげぇデカい落書き屋がいるのかな。元々隣に建物があったのかな。だとしても隣のビルに落書きなんて大胆だな。ご近所トラブル、喧嘩でもしたのかな。だから今はもう更地なのかな。そんな思いを馳せてる時点で、彼ら芸術家の思うつぼなのかもしれないね。

 

でももし自分の家や所有物に、オシャレだろ感溢れる落書きがあったらすげぇ嫌だなって思う。頼んでもないのに。例えどんなに優れたデザインだとしても。デザイナーだとしても。

 

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